井上亘のトライアングルランサー

師匠の技を弟子が受け継ぐ

これは、プロレスに限らず師弟関係があれば当然のなり行きですが、師弟で技を伝承すると言うのは、プロレス的にみても熱い流れです。

 

例えば2014年に、惜しくも引退してしまった井上亘

彼は若手時代は、佐々木健介の付き人を努めていました。

どれ程 個人的な指導があったのかは分かりませんが、当時は新日本道場のコーチを健介が努めていたので、この二人が師弟関係にあるのは間違いないでしょう。

 

井上亘の代名詞と言えば、トライアングルランサーですが、これは健介の得意技ストラングルホールドγをヒントに、独自の改良を加え開発したものです。

師匠の技をそのまま使うのも良いですが、自分なりのアレンジを加えて自分の色をつけた上で、技を継承していくのは、拘りが感じられて良いですよね。

 

日本のプロレス界には、何故かストラングルホールドの使い手も居なかったし この技の使用は良いチョイスだったと思います。

井上がJr.ヘビー級戦士として頭角を現す前の2002年に、健介が新日本を退団した事で、結果的に井上のトライアングルランサーが、新日本ではオンリーワンになったのは、実は大きかったかもしれません。

トップレスラーと技が被ってるのは、余り良いイメージでは無いかも知れないし 個性が無くなる事にも繋がりかねないので、上を目指して駆け上がっていく井上の姿は、トライアングルランサーと供にあったので、新日本内に置ける井上の技と言うイメージ定着には、良かったと思います。

 

2001年のJr.タッグリーグで、当時は約キャリア2年だったにも関わらず獣神サンダー・ライガーに、トライアングルランサーで完全なギブアップ勝ちを収めた事があるのも大きな要因でしょう。

 

しかし井上のトライアングルランサーは、本当に良い技で、ここから回転して絞めあげたり エビ固めに丸め込んだり パターンも豊富で、使い勝手が良さそうだし スタンドの状態からローリングして技に入るのも格好よかったです。

それだけにヘビー級に転向してからは、スピア-・オブ・ジャスティス等の技をメインにしていったのは残念でした

トライアングルランサーの足も極める派生技のファイナルランサーもゴチャゴチャして余り好きじゃありません。

トライアングルランサーの完成度が高かっただけに、余計そう思ってしまうのでしょうか・・・

 

ここもあそこも固めるよりは「技は有る程度シンプルな方が良い」と言うのは、完全な個人的感想ですが、トライアングルランサーを極めている時の井上の気迫の表情が良く見える所が、最も井上亘の井上亘らしい技だったのだと思います。

直情型の師匠・健介と同じく 直情型の井上らしさが爆発している必殺技でした。