蝶野正洋「所属団体こそ違えど、かけがえのない同士」

新日本の闘魂三銃士と全日本の四天王

 

1990年代からプロレスを見てきた人達からすれば、この7人は本当にスーパースターだったと思います。

新日本を応援する人 全日本を応援する人

三銃士が好きな人 四天王が好きな人

真っ二つに分かれて どちらの団体が上か、三銃士と四天王はどちらが強いか?こんな議論を何度も繰り返した事のある人が、多いでしょう。

 

武藤敬司と三沢光晴なんかは、キャリアにこそ多少の差はありますが、年齢も同じで、供に運動神経抜群の天才肌とくれば、嫌でも比較はされるってもんです。

実際に若手の頃から比較対照とされ お互いの事を少なからず意識していたとは言いますからね。

三銃士と四天王が、トップ戦線に頭角を表してきた時期もほぼ同じで、上の世代に世代闘争を仕掛け 橋本真也の長州力越えと三沢のジャンボ鶴田越えは、たったの11日違いだったりと 何かと似た境遇だったのも 何かの縁だったんでしょう。

 

もしタッグを組んだり…対戦したり…と考えるだけで、ワクワクが止まらなかったし 何かの企画やイベントで、彼らが一枚の写真に収まるだけで興奮したものです。

観ているだけのファンですらこうなのだから、実際にやってる選手達は、さぞかし相手の事が気になっていたと思います。

 

お互いの全盛期だった1990年代の絡みは、一切無かった物の2000年代に突入してからは、直接対決やタッグ結成など 様々なドリームカードが実現に至りました。

もう数年早ければ・・・と思ったのが正直な所ですが、それでも彼らのリング上での絡みには夢を与えられたし 90年代からのプロレスファンを燃えさせるには充分でした。

それ程 特別な存在の7人でしたから。

 

「所属団体こそ違うけどかけがえのない同志だと思ってる。同じ時代を生きたという意味でね」

 

後年になって蝶野正洋が、インタビューでこう語って居ましたが、こう言うコメントを見ると何だか嬉しくなりますね。

ファン達が、彼ら7人に特別な思いを抱いていた様に、本人達もそれぞれの団体の中心選手でありながらも ライバル団体の中心選手に特別な感情を抱き 認め合っていたと言う事が、目に見えない絆を感じられます。

 

この7人は、鬼籍に入った橋本と三沢を除けば、今や全員が60代前後になりますが、全員が長年の激闘により身体は、もはやボロボロ。

例え所属団体やスタイルは、全然違っても プロレスに全てを捧げ 業界を盛り上げようと、身体がボロボロになるまで 対戦相手のみならず世間とも闘ってきたと言う観点では、紛れも無くライバルで有る前に、同じ時代を生きた「かけがえのない同志」です。

 

90年代からプロレスを観て来たファンとしては

彼らと同じ時代を生きた事を誇りに思います。